前回のブログでは、「好き」「得意」を育てるために、動詞に着目する重要性についてご紹介しました。今回から、動詞を軸に新たな「好き/得意」を育てるための3ステップについて具体的にご紹介します。
本記事では、最初のステップである「1.好きや得意を『動詞』に分解する」について詳しく解説します。
3ステップの概要
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好きや得意を「動詞」に分解する
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動詞の優先順位をつける
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動詞を日常に取り入れ、比率を高めていく
内容に入る前に
まず、「好き」「得意」を動詞で理解する視点は、前回のブログでも触れた森岡毅さんの考え方に大きな影響を受けています。
森岡さんの著書『苦しかったときの話をしようか』では、キャリア形成時に自分の強みを理解する手段として、好きなことを動詞で分解する方法が提案されています。
このアプローチでは、「好き⇔動詞⇔得意」という関係図が示されています。

本ブログでは、この考え方を発展させ、「好き⇔動詞⇔好き/得意」というサイクルで、「好き」「得意」を再発見することにフォーカスします。
詳細を知りたい方は、森岡さんの著書や関連動画をご覧いただければ、理解が深まると思います。
また、前回のブログでは「神社巡り」や「キャンプ」を例に、動詞への分解例をご紹介しました。以下のポイントを踏まえつつ、今回は具体的な分解方法を解説します。
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自分の好きなことを動詞単位で理解すると、似たような動詞で構成されていることが多い。
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魅力的な動詞は、DNAレベルで惹かれている可能性がある。

このブログを読みながら、ぜひご自身の「好き」「得意」を動詞に分解し、特性を把握するための第一歩を踏み出してみてください。
「好き」「得意」を動詞に分解する方法
参考までに、私の好きの「キャンプ」を題材に実際に分解の様子を示します。
「得意」の場合も同様の分解手法で実施できますが、本ブログの3ステップでは「好き」を軸にご紹介させていただきます。
1. 好きなことを棚卸しする
まずは、これまでの人生で「好きだったこと」や「心が躍った瞬間」を思い出し、書き出します。
たとえば、次のような質問を自分にしてみてください。
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「最後にワクワクしたのはいつですか?」
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「時間を忘れるほど没頭したことは?」
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「子どものころ夢中になっていたことは何ですか?」
例として、キャンプにフォーカスした私の例を示します。
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自分の部屋で実現できなかった理想の空間をキャンプ場で追求できる。
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お気に入りのキャンプギアを並べてニヤニヤする。
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澄んだ空気、焚火の音や匂いを楽しむ。
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準備や片付けを効率よくこなした達成感。
2. 動詞に着目する
書き出した内容を、動詞ベースで捉え直します。
それぞれの「好きなこと」や「得意なこと」に含まれる具体的な行動を洗い出し、深掘りし、動詞単位に分解してください。
完璧を求めなくてもかまいません。ぱっと思いつく行動を列挙してください。
参考として、具体的な動詞を見つけるポイントを以下に示します。
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「楽しい」と感じる瞬間に着目する。
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思い出に強く残っているシーンに共通する行動は何か。
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1つの行動から関連する動詞を派生させてみる。(例: 「書く」は「記録する」「伝える」「整理する」に派生できる)
例として、キャンプにフォーカスした私の例を示します。
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理想の空間を追求する:
アイデアを形にする、空間をアレンジする、自分の理想を探す。 -
キャンプギアを並べる :
コレクションする、一覧化する。 -
焚火を楽しむ :
感じる。 -
片付けをこなす :
整頓する、効率化する。
3. 動詞を磨く
次に、動詞を磨き上げて、より汎用性の高い形に仕上げます。
同じ動詞が異なる文脈で繰り返される場合、共通点を見つけて簡潔化します。
たとえば、以下の手順で進めると効果的です。
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動詞の傾向を観察する:
書き出した動詞がどの場面で使われているか。(例: 「整理する」は片付けや情報の分類など複数の文脈で使われる)
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動詞の共通点を探す:傾向を比較し、動詞の核となる要素を見つける。
(例: 「片付ける」と「情報を整理する」の共通点は「秩序を保つ」)
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動詞を簡潔化する:共通点を抽出して、動詞をよりシンプルで汎用的な言葉に置き換える。
例として、キャンプにフォーカスした私の例を示します。
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アイデアを形にする : 表現する。
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空間をアレンジする : 組み立てる。
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自分の理想を探す : 探す。
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コレクションする : 集める。
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一覧化する : 並べる。
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整頓する、効率化する : シンプル化する。
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焚火を楽しむ : 感じる。
まとめ:好きや得意を「動詞」に分解する
この章で、具体的に「好き」「得意」の動詞の分解方法についてご紹介しました。
ぜひ自分が「何に魅力を感じているのか」「どのような行動に喜びを見出しているのか」を明確に理解してください。
一度の分解作業で納得のいく動詞に巡り会うことは難しいと思います。
ぜひ何度も向き合い、異なる「好き」「得意」にも着目し、「好き」「得意」⇔動詞を行き来して、可能性を広げてください。
余談ですが、動詞を自覚すると、好きや得意と感じる内容がより高まります。
私の場合、「感じる」「探す」「集める」といった動詞を趣味のキャンプや神社巡りで意識することで、楽しさが増しました。
例えるならマッサージ、気持ちが良いと感じるツボを刺激するように、このツボにあたるのが「好き」「得意」の動詞なのでしょう。
この考えは仕事にも応用できます。
何気ない仕事でも動詞を意識すると、クオリティや達成感が格段に変わります。
次回は、「動詞の優先順位をつける」の内容をご紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに!